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会員紹介

 
「職場と子供」
株式会社メディヴァ代表取締役 大石 佳能子 (新制31期)

「江戸連」代表理事 平松 斉(旧制3期)
 阪大を卒業して、早くも20年以上が経ちました。生まれて大学を出るまでと同じ以上の年数が経ったことに驚くばかりですが、その間、ずっと仕事は続けていました。最初は生命保険会社に入り、その後は外資系のコンサルティング会社で過ごしました。
  2000年に独立して、今の医療コンサルティング事業を興したのは、出産がきっかけでした。それまで殆ど病院に行ったこともなかったのが、出産前後に頻繁と来院するなかで、違和感を感じました。「病院って、患者さんの視点で運営されていないよね」、「患者視点で運営したら、患者さんも増えて、経営にもいいんじゃないだろうか」という単純な疑問から始まり、前職のコンサルタント仲間と医師と一緒に独立しました。現在は、自分たちが患者視点で必要だと思う医療サービスを医師と一緒に作り上げる仕事をしています。
  起業の転機になったのも「出産」ですが、その後も仕事をしているなかで、「生活者の視点」を持ち続けることが大事だと思っています。しかしながら忙しいと日々が仕事だけになってしまい、「生活者の視点」を維持するのは言うほど簡単ではありません。
  例えば家族、特に子供と時間を過ごすことは「生活者の視点」を維持するためには非常に重要なことですが、実際は子供と時間を過ごすどころか、安心して子育てすることすら難しいのが現状ではないか、と思われます。子供を狙った事件も増える中、まず子供を安心して預けて働くことすら困難です。
  最近は公立保育園でも延長保育をしていて、8時くらいまでは預かってくれます。ところが、小学校に上がったとたん、学童保育になり、子供は5時に帰宅します。
  親が安心して働けるように、当社では社員の子供は会社に「出入り自由」としました。私の子供も含めて、社員の子供は放課後会社に寄ります。仕事をするコンサルタントの横で宿題をする子供もいれば、手伝う子供もいます。うちの子供はまだ小学校低学年なのでコピーをとって、ホッチキスを止める程度。もう少し大きい子供の中には、レセプト(医療保険の請求書)等のデータ入力のアルバイトをしています。
  また会社に子供が来るだけでなく、水曜日を自宅勤務日にしているお母さん社員、赤ん坊を風呂に入れるために5時に帰って夜中自宅で仕事をするお父さん社員等、家庭と仕事の両立を図っています。子供が熱を出した等の緊急時は、他のコンサルタントに電話を入れて、その日だけカバーに入ってもらうよう依頼することも可能です。会社の宴会や社員旅行にも子供を同行できます。
  当初は全体の約4分の1を占めるお母さん社員を対象としていたのですが、最近は発熱した子供のために休みをとるお父さんもいます。決して仕事が楽な会社ではないのですが、「皆でカバーし合うのは当然」という文化ができました。
  お母さん社員から「助かる」という声が出るのは予測していたのですが、嬉しかったのは男性女性を問わず、若い社員から「子供のいる生活の実感が湧いた」であるとか、「子供が居ると良いと思った」という感想が出ていることです。また子供達からも「親がどういうところで、何をしているか分かった」、「働くことはこういうことなんだね」というような声が聞こえてきます。
  考えてみれば、昔の職場は田んぼであったり、自宅の作業場だったり、商店であったりで、親が働く姿を見て子は育ち、子の育つ姿を見て親は安心して仕事をしていました。近年、職場が家から離れ、忙しいお父さんは夜中まで家に帰って来れず、「職場」と「家庭」が離れてしまいました。小さな会社だから出来ることですが、「職場」と「家庭」を再度融合させることは親にも、子にも、またまだ親になっていない人たちにも良い影響を与えるというのが実感です。また、それによって一人一人の企業人が「生活者の視点」を自覚出来れば、よりよい企業が作れるのではないでしょうか。





 
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